天音という名も母様が与えたもので、かつての通り名は『鬼神の天女(きしんのてんにょ)』という。

「お前も夜警終わったら、大人しく帰って少しは寝て置け。いくら睡眠時間少なくていいって言ったって、身体は人間だ。無理は積もるぞ」

「おー。白はこのまま帰邸(きてい)?」

「客人だ」

すげなく返して、そのまま家に向かった。

涙雨が寄越した伝令。どうやらこれから来客がありそうだ。