陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「……そ、そそそそれはやめてほしいっ」

「今まで通りでいいの?」

「その言われ方が恥ずかしいだけっ!」

「でも、父さんや祖父にとっては、紅緒様は『姫君』だったよ? 未だにそう呼んでるし」

「……そういう時代錯誤なところは変えていこうよ……」

「そうかなあ?」

首を傾げる架くん。

……架くんの考えの根本は、総て『鬼人・桜城一族』なんだろう。

永く守って来た鬼人の血筋。

だから黒藤さんを、『若君』なんて一般では聞かない呼び方も普通に出来る。

……架くんは私に好意的だし、黎とのことも背中を押してくれる。

自分を責めがちな私の状況ではありがたい人だけど、いざ話してみると(家のことに関してのみ)若干常識に欠けているのが難点だ。

しかし、総てを求めることほど不毛なこともないだろう。

完璧な人なんていない。

完璧、か……。