陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「うん。……今日も病院行くの?」

「勿論。海雨にも……、逢いたいし」

「俺も行っていいかな?」

「うん――

『少々待たれよ。お二方』

「えっ?」

聞いたことのない高い声――子どものような声に呼ばれて、辺りを見回した。

「真紅ちゃん?」

きょろきょろする私を不審に思ってか、桜城くんが声をかけてきた。

「あ、今誰かに呼ばれなかった? お二方、て」

「俺には聞こえなかったけど……」

『ここじゃ、お嬢』

今度は私のすぐ耳元から聞こえた。

いつの間にか、肩に紫色の小鳥が乗っていた。