「……ちょ、

「真紅?」

「ちょっと探してくる!」

それだけ言い置いて病室を飛び出した。

どこにいるかなんて海雨に訊ねる余裕もない。

どこでもいい。もう一度逢えるのなら。逢って、その銀色の瞳を映ることが出来るのなら――

「わっ⁉」

「あ、大丈夫です――

か、と小さい声が、頭の上から降って来た。

振り仰ぐと、自分を見下ろす黒い瞳に息を呑んだ。