「ほんとに、何してんの?」



「ご、ごめんなさい」




現在、俺は安里の家で安里に説教されている。




「そもそも何で、唯兎くんを頼ったの?」




安里は怒ったまま問いかける。



そんな安里に俺はどんどん萎縮していく。




「いや、安里が頭悪い奴は嫌いって…」



「だから頭いい唯兎くんの家に勉強しに行ったの?」




俺はコクリとうなづく。




「私、言ったよね。今唯兎くんの家には男の子が苦手な子がいるから行っちゃダメだよって。聞いてなかったの?」



「そんなの聞いてない…」




嘘。ほんとは聞いてた。


でも、そんなこと言ったら殺されるから黙っておく。




「果乃ちゃんは私たちにとって一番大事な子なの。



『White liar』の原点なの。わかるでしょ?」



「はい…」




すると安里の口が止まった。




「安里?」




「…ねぇ、翔。人の話はちゃんと聞いて?



あと…わがままだけど私の気持ちも察して…」