唯兎くんはニターッと笑って私を見つめる。



もう、可愛い。



ほんとに。



私は唯兎くんの顔を両手で包み込むと、触れるだけのキスをする。




すると唯兎くんは驚いて目を見開いて。



嬉しそうに笑って抱きしめてくれた。




「もう果乃可愛い」




耳元でそう囁くと、私は唯兎くんの部屋から出た。



そのままリビングへ向かう。



もう、どうしてあんなことできちゃうんだろ…。



世の中の男の子はみんなあんなに恥ずかしいことできるのか…。




「果乃ちゃんっ、遅かったねっ待ってたよっ!


ここっ、ここなのっ!」



そういってやよいちゃんは私を引きずりながら座らせる。



そして私は数学の教科書を見せられる。



ここのページ出さないって言ってたんだけどな…。



範囲じゃないし…。



秋帆ちゃんもそれに気づいているようで少し苦笑いをしている。