うそつき 2

やっぱり、この人は果乃が好きで。



果乃以外の人からの好意に鈍くて。




だから、私の好意になんて全く気づいていない。




去年の夏もそうだったから。




だから、私はこのままでもいいと思っている。




私が唯兎くんのことを好きじゃなくなるまで、好きじゃなくなるその寸前まで唯兎くんだけを考え続けていたい。




悪いけど、葵衣はその後になるかな。



ごめんね、ほんとに。



いつでも嫌いになってくれていいんだよ?




そんなことを思いながら、私は唯兎くんからの電話を切った。