うそつき 2

思わず、電話を取ってしまう。




『もしもし、果乃？』



「果乃ちゃんは現在お昼寝中です」




そう言って、座ってる位置から私のスマホで果乃ちゃんの写真を撮ると唯兎くんに送りつける。




「今、写真送りましたよ。見てくださいね。これが男どもの視界に入ってます」




『ん？』




すると、少し間が空いて、唯兎くんの焦った声が聞こえる。





『今すぐに果乃を起こして！


ていうか男を消せっ』




それを聞くと、やっぱりこの人が好きなのは果乃ちゃんで。



口が緩む。




「大丈夫ですよ、見てるのは葵衣だけですし」



『はぁ？帰りたいほんとに帰りたい、てかそっちが今すぐ帰れえええっ』




耳元で絶叫する唯兎くんに鼓膜が破れそうになる。




果乃のスマホを操作してスピーカーに切り替える。




「うるさいですよ、耳が割れる」



『あぁ、ごめん。…とりあえず、果乃のそれ隠して』



「はーい」




そう言って私の上着をかけておく。