だから、まぁ。



多分私の隣に座ってる葵衣にも見えてるわけで。




「…最低」



「え、いや。だって、見えるし…」



「だからってガン見するな。誰だ果乃ちゃんに興味ないって言ったやつは」



「言ったよ、言ったけど。見えるのは見とか…痛っ」




私は葵衣の肩にグーパンチ。




「大丈夫だよ、好きなのは友希だけだから」




そう言うと、葵衣は軽く微笑む。




はぁ。毎回同じこと言う。



葵衣のこと、好きになるわけないのに。



だって私、未だに果乃ちゃんの彼氏のことが好きで。



ほんとは、まだ諦めきれてない。



告白する気は無いけど、好きなのをやめる気なんてさらさらない。



葵衣も、知ってるくせに。



ずっと、唯兎くんのこと好きだからって言って、葵衣のことをフり続けてきたのに。



こいつは諦める気配もない。




誰かのスマホがなっている。



音が聞こえる。



これは果乃ちゃんのか。



ディスプレイを覗き込むと、唯兎くんからで。