弘江が気にしている方へ視線を向けてみると、そこには剛たちと裕の姿があった。


剛、拓郎、晃彦の3人に囲まれて身動きが取れない状態だ。


4人は何か話をしながらそそくさと教室を出て行く。


「なにか企んでるのかもね……」


あたしは4人の姿が見えなくなってからそう言った。


下手に会話を聞かれると、今度はあたしたちがターゲットにされてしまうかもしれない。


裕には申し訳ないけれど、それは避けたかった。


あたしはこの平和な日常を崩したくない。