「あるだろ少しくらい」


剛が裕の机を脚で蹴とばしてそう言った。


傍から見ていて秘密が多そうなのは剛の方だ。


影でも沢山悪い事をしているイメージが強いし、それをサイトに書き込めばどのくらいのポイントになるのだろうと、自然と考えていた。


「なにもないってば」


裕は困ったように眉を下げている。


「秘密がないなら、作ればいいだろ?」


横から拓郎がそう言い、裕が驚いた様子で目を見開いた。


「お、それいいな!」


剛がすぐに乗って来る。


「それ、どういう意味だよ」


裕が挙動不審になり、目をキョロキョロと左右に動かす。


他のクラスメートたちも嫌な予感がしているようで、みんな3人から視線をそらせている。