『わかんないよ! どうしよう、あたしもう学校に行けない!』


直美は電話の向こうで涙声になっている。


「弘江がなにをしたのか知らないけど、直美は泣かされてるだけでいいの?」


あたしがそう言うと、直美が黙り込んでしまった。


「直美はなにもしてないよね? なのに弘江が勝手に書き込んだ……それを黙ってていいの?」


『……よくない』


「そうだよね。このまま終わらせるのはよくない」


『あたし、どうすればいいのかな?』


そのくらい自分で考えろよ。


そう思ったが、言葉を喉の奥へと押し込んだ。


「弘江は直美の秘密を知ってた。直美はどう?」


『あたしも、弘江の秘密をしってる……』


「そうだよね。だってあたしたち親友だもん。なんでも話してきたもんね」


『うん……』