蘇ってくるのは真面目な高宏の姿ばかりで、そんな風には全く見えなかった。


「っていっても昔の話し」


「ちょっと待って、相手は誰?」


もしかして、という予感がしてあたしはそう聞いた。


「美花だよ」


克也の言葉にあたしと弘江は目を見交わせた。


高宏は今も美花のことが好きなのだ。


それならもっと面白い動画を撮影することができるかもしれない!


「ありがとう克也!」


あたしは克也にそう言い、大急ぎで教室を出たのだった。