せっかく剛らの脅威から逃れられると思い込ませることができたのに!


この暴露は最悪のタイミングだった。


「どうするの? このままほっとくの?」


そう言ったのは文香だった。


こちらへ向けて聞いて来ている。


あたしはキツク目を閉じて、そして開いた。


「行ってみよう。裕の家へ」


ここで逃げたら信頼が揺らぐ。


あたしたちにはそうするしか道はなかったのだった。