直美はひどく混乱しているようで、目を泳がせている。


「まだいるかもしれないし、行ってみよう」


「行ってどうするの? 剛たちがまだいるかもしれないじゃん!」


弘江が言う。


「犯人がその場にいたとしたら、それを写真に撮って書き込めばいいじゃん」


暴行現場の暴露なんて、きっといいポイントになるはずだ。


「あたしたちが巻き込まれるかも」


「それならあたしは1人で行く」


怯えている2人を残してあたしは立ち上がった。


そもそも自分たちで暴行しておいて秘密暴露だなんて卑怯だ。


本物の秘密はあたしたちのようにして奪うべきだ。


「わかった。一緒に行く」


弘江はそう言い、立ち上がったのだった。