「俺は《秘密暴露サイト》のおかげで本来の自分の趣味嗜好に気が付く事ができたんだ。だから感謝してるよ」


最近学校へ来たり来なかったりしたのは、パソコンにかじりついていたからのようだ。


「それ、あたしたちに言ってもいいの?」


あたしがそう聞くと、裕は軽く首を傾げた。


「どうせ誰も信じない。俺が嘘をついていたとすれば、書き込むことすらできない」


その言葉にあたしは奥歯を噛みしめた。


裕は《秘密暴露サイト》の構造をよく理解している。


あたしたちにいくら口で話をしても、自分の立場は安全だと理解しているのだ。


「人の秘密を覗くのは面白いなぁ! 勉強なんてくだらないことに時間を割いてた自分が小さく見えるよ」


「……行こう」


笑い続ける裕を見て、あたしはそう言ったのだった。