「よくもバラしてくれたな」


剛が文子へにじり寄って行く。


「違う……あたしじゃない!」


文子はそう叫んであたしへ視線を向けた。


あたしはほほ笑んで、肩をすくめて見せた。


サイトに書き込んだのはあたしじゃなくてゆかりだ。


誰もあたしのことなんて気にもしていない。


「お前がゆかりにバラしたんだろ!」


「違う!!」


文子は恐怖心からその場にへたり込んでしまった。


それでも、文子へ助けの手を差し伸べる生徒は誰もいない。


みんな、怒ってる剛は手がつけられないとなんとなくわかっているのだろう。