「可奈は裕の家を知ってるの?」


「うん。帰り道が途中まで一緒だったみたいで、家に入って行くのを見たことがあるの」


あたしは直美へ向けて嘘をついた。


本当にさっき先生に直接聞きに行ったのだ。


すると偶然家が同じ方向だったというだけだった。


「本当に、それだけ?」


弘江は疑い深い表情をこちらへ向けている。


さすがに弘江はすぐには信用してくれないみたいだ。