いつの間にか、壁からジリジリと離れて、気付けば床に押し倒されている形になっていて。
近付く顔に私は身の危険を感じて体を捩ろうとするのに、それは大きな胸板に押さえ付けられて許してもらえなかった。
「美希都!」
「放さねぇって言ってんだろ」
「…ばか」
「くくっ、お前そればっかだな…他に言うことねぇの?」
「…じゃあ…好き」
「…っ」
「…参ったか」
「くそっ。そういうとこが可愛過ぎんだよ」
「なっ?!」
「俺に勝とうなんざ、億万年早ぇんだよ」
にやり。
そう言って意地悪く笑った後、美希都は私の鼻先にキスをする。
ふわふわと羽のようなキスを…。
それに酔ってしまいそうになる。
ねぇ…ねぇ…。
この腕の中で私は願いを叶えてもいいの?
もう、この気持ちを解き放っても、本当にいいの?



