「…あの、美希都?」
「あぁ?」
「…放して?」
「嫌だね。やっと捕まえたのに、今更離せるかっての」
そんなことを言いつつ、美希都は私の首筋に顔を近付ける。
「ちょっ、犬じゃないんだから、そんな所でくんくんしないでよ!」
「お前、甘い匂いすんのな。前に抱いた時からそう思ってた」
「ごっ誤解されるようなこと言わないでっ!」
「んー?なんで?誤解されたら困るヤツでもいんのかよ?」
「い、いないって…んん」
「まぁ、いたとしても、取り返すけどな」
美希都は、どこまでも自由でドSで俺様だと思う。
だって、こんなにも私を翻弄するのだから…。
「んもう!擽ったいよ!離れてってば!」
「ふーん?じゃあ、ちゃんと言えよ?」
「…ふぇ…?」
あまりの甘い感覚に変な声が出た。
美希都はふふんと鼻で笑って、私のおでこにキスをする。
「好きだって、言ってみな。そしたら、放してやってもいいぜ?」
とても楽し気なその表情は、まるで獲物を捕えた狼のようで。
私は、その顔を直視出来なくなって、少しだけ早く脈打つ美希都の首筋の辺りを見つめながら、震える声で囁いた。



