そんな日々の中で、西川くんとめでたく…というかテスト的なお付き合い期間が始まった。
西川くんは、私が思っていた以上に紳士で、ちょっとの段差でも手を差し伸べてくれたし、毎日逢えなくても電話やメールは欠かさず毎日くれた。
それはデートを重ねれば重ねるほど、甘い雰囲気を増していって…。
「永莉」
と、甘く名前を呼ばれるくらいになった。
私も何方かと言うと西川くんのことは「好き」だと思うけれど。
本当に心からそう言い切れない自分がいて…。
「好き」の代わりに柔らかく名前を呼ばれると…。
その度に「ありがとう」って笑って誤魔化していた。
「ごめんね?」そう心の中で思いながら。
…これでいい。
……これでいいんだ。
そう思う程にちくんちくんと痛む胸。
だけど、今、美希都と逢ってしまったら、私はまた可愛い態度が取れずに、「可愛くねぇヤツ」と思われるだけだから…。
あぁ、本当に私は何を一体してるんだろう?
西川くんまで巻き込んで。
…心に幾重にも鍵を掛けて。
今の私は、本当に宙ぶらりんで、捉え所のない…空気みたいなんだろうな…。



