ぐらり
揺れる視界。
反転していく世界。
やば…床にぶつかる!
そう覚悟して目を瞑ったのに、やってくるはずの衝撃も痛みもなく、私は恐る恐る瞑っていた目を開いた。
すると、目の前には…広くて逞しい胸…紺のブレザーから見えるネクタイがあり。
背中には、大きくて温かな手が回されていた。
どきん、どきん
「っ…ちっ。あぶねぇな。…永莉、大丈夫かよ?」
「う…ん…」
あまりの近さに、驚いて、身を引こうとした瞬間、ぐいっと美希都の腕の中へ私は収められた。
「永莉…」
「な…に……?」
なんだ、このムード。
もしかして、もしかして…。
自分が思い焦がれ、恋焦がれていた瞬間がやってきたのかと思いきや。



