たった一人、私の心情を知っているらしい西川くんは、とても人の気持ちに敏い。
美希都と比べたらきっと百万倍くらい。
って、美希都と比べてる時点で駄目なんだけど。
とある、委員会の終わり頃。
二人きりになった図書室で、私は深くて黒い溜息を吐いた。
それを隣で聞いた、西川くんは私の頭をポンポンと撫でて、「どうしたの?」と聞いてくれた。
それが、なんだかその日に限ってとても心地よくて、次の瞬間私はこんなことを無意識に呟いてしまってた。
「ねぇ、西川くん…」
「ん?」
「私と付き合ってくれない、かなぁ?」
まるで、どこかに行こう…みたいな言い方。
これじゃ軽いデートのお誘いじゃないか?と、小首を傾げて考えていると、意表を突いて彼は笑顔になった。
「…いやぁ、それは俺的に嬉しいし、光栄なことだけど…それで、いいの?真中さんは?」
もう、疲れてしまったんだ。
こっちを向いて欲しい、好きになって欲しいと想い続けて、あれこれ考えることに。
小さくても、好きっていう…アプローチすることに。
そんなの、きっと…。
私らしくないんだって思ったんだ。



