この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。

稔は俊介の言葉を遮り、謝罪する。


「いや。お前の言う通りだった。もっと気を使うべきだった。ごめん」


よかった。これできっとふたりは元通り。

俊介が謝ると、稔は起きあがり首を振る。


「起きても平気?」
「うん。放射線のおかげか体のふらつきも減ったし、結構快調」


私の質問にそう返すけど、食欲がないからかひと回り小さくなったように感じる。


「その辺座れよ。俺、ここでいいかな?」
「もちろん」


私と俊介は、座布団を借りて稔のほうを向いて座る。


「ふたりにはなんていうか……感謝してる。ありがとう」


改めてお礼なんて言わないでほしい。

私たちは仲間でしょ?


「なに言ってんだか。好きでしてることに礼なんて言われてもなぁ」


俊介はすかさず言い返す。


「相変わらずだな」
「悪かったな」


いつものテンポが戻ってきた。
うれしくて、顔がにやける。