「稔の好きなメロンパンだよ」
彼は入院してから、腫瘍のせいなのか、はたまた放射線治療が始まったからなのか、それとも精神的なダメージなのか、食欲が極端に落ちているらしい。
たしかに、顔面蒼白だったときと比べれば顔色はよくなってきているものの、頬がこけている。
『好きな物を食べさせてあげて』と医師から聞いたので、よく試合の帰りに通ったパン屋で彼の好きなメロンパンを買ってきた。
中にメロン風味のクリームが入っていて、私も大好物。
俊介はカレーパンのほうが好みのようだけど。
「ありがと」
「食べる?」
「ごめん。あとで食べるよ」
メロンパンも無理か……。
なんだったら、いやどうしたら食べてくれるんだろう。
「了解。それじゃ、ここに置いておくね」
ベッドの横の棚に置くと、稔がじっと私を見つめているのに気づいた。
「ん?」
「俊介、元気?」
やっぱり気にしてるんだ。
彼は入院してから、腫瘍のせいなのか、はたまた放射線治療が始まったからなのか、それとも精神的なダメージなのか、食欲が極端に落ちているらしい。
たしかに、顔面蒼白だったときと比べれば顔色はよくなってきているものの、頬がこけている。
『好きな物を食べさせてあげて』と医師から聞いたので、よく試合の帰りに通ったパン屋で彼の好きなメロンパンを買ってきた。
中にメロン風味のクリームが入っていて、私も大好物。
俊介はカレーパンのほうが好みのようだけど。
「ありがと」
「食べる?」
「ごめん。あとで食べるよ」
メロンパンも無理か……。
なんだったら、いやどうしたら食べてくれるんだろう。
「了解。それじゃ、ここに置いておくね」
ベッドの横の棚に置くと、稔がじっと私を見つめているのに気づいた。
「ん?」
「俊介、元気?」
やっぱり気にしてるんだ。



