この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。

彼の発言に促されるように、涙があとからあとからあふれ出してきて止まらない。

おそらく俊介だって不安に違いない。
怖くてたまらないはずだ。

それでも、今の私には彼にしかすがることができず、しがみついてしばらく涙を流した。


俊介が帰ったのはそれから一時間ほどしてからだった。

彼がいなくなった部屋は途端に空気が冷たくなり、自分で自分の体を抱きしめる。

するとスマホが震えた。それは俊介からのメッセージだった。


【つらくなったらすぐに連絡してこい】
【うん】


返信しながらカーテンを開けると、俊介がこちらを見つめていた。


【俺も里穂も待ってるぞ。早く治して復活しろよ。里穂はミルクレープ。俺はガトーショコラにするわ】


そして次に、稔を含めた三人のグループメッセージに、俊介がそう書き込んだ。

そうだよ、稔。ミルクレープおごってくれるんでしょ?

一旦は泣き止んだはずなのに、また視界が曇ってくる。
それでも私も手を動かした。