この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。

「そうですか……」


まだふらつくなんて、酸欠じゃないじゃない。

おばさんに相槌を打ちながら、俊介の顔をチラッと見上げる。

すると彼も同じように感じたのか、一瞬顔をしかめた。


「来週、大きな病院に検査の予約を入れてもらったから、それまではとりあえず家で療養ね」
「それじゃあ、時々顔出します」


俊介は笑顔を作る。
こういうところは私より大人だ。

私は心配で笑えない。

不安なのは稔とおばさんのほうだとわかっているのに。


それから二階の稔の部屋に上げてもらった。


「よぉ、少しは元気になった?」


部屋に入るやいなや、テンション高めにそう言う俊介は、きっと暗くならないようにしているんだろう。

だから私もそうした。誰だって調子が悪いときは気分がふさぐもの。


「稔。プリン買ってきたよー。今日はちょっと奮発して、駅前のケーキ屋さんの。コンビニのじゃないんだから!」