この想いが届かなくても、君だけを好きでいさせて。

「おととい告白したんだ」
「おととい……」


俊介の目が泳いでいる。
と同時に、私は息がうまく吸えなくなった。

こんなはずじゃ、なかったのに。

告白する勇気なんてなかったけれど、いつか俊介の彼女になれたら。なんて淡い期待を抱いていたのに。


それでも私が選ぶ道はこれしかなかった。

稔を突きはなすなんて、絶対にできなかった。


複雑な気持ちを抱えて、押しだまっていた。


「それじゃあ、俺邪魔じゃん」
「邪魔じゃないって。今まで通りでいいから」


稔はそう言うけど、この3人の組み合わせは正直苦しい。

俊介の前でも、親友としてなら稔のことを気遣えるが、彼女としてふるまうのはつらくてたまらない。


「そんなこと言ったって、顔に“空気読め”って書いてあるから。元気そうな姿も見られたし、また来る」


俊介はそう言いのこして立ちあがり、ドアへと向かう。

私はその背中をすがるように見つめる。

行かないで……。