「混み合ってるんだから止まるんじゃねえ。何にするか決まったんなら早く頼めよ」


「ご、ごめん。ていうか、総長なのにちゃんと列に並ぶんだ」


「んなの当たり前だろ。学校じゃ、俺は総長でも何でもねえイチ生徒だからな」



ふうん。


そういうもの、なんだ……?


どこか腑に落ちないまま、私は目に付いた軽食メニューのサンドイッチセットを頼む。


すると、食堂のおばちゃんは見慣れぬ私にキョトンと目を瞬かせた。


あ、そういえば生徒たちは知ってるだろうけど、おばちゃんはさすがに私のこと知らないよね……。


どうしよう、とオロオロしていると、

おばちゃんは理月と私を交互に見てやけに興奮したように、「んまあ」と満面の笑みを浮かべた。