坂下が作ってくれた美味しいお弁当を食べて、小一時間くらい休憩することにした。



「そうしてると、別人みたいだよね。

なんか、パパじゃないみたい…。」



私は、坂下をまじまじと見ながら言った。



「休日に髪など、整えてはいません。

あ、ちょっと動かないで下さい。」



坂下はそう言うと、私の顔に向かって手を伸ばした。



「取れました。」



そう言って見せてくれたのは、ほんの小さなフライの衣。



口の端についてたものを、器用に指で摘んでいた。



「メガネ外してるのに、よく見えたね!」



「視力は、悪くありません。」



「じゃあ、何でメガネかけるの?」



「その方が、教師らしく見えるでしょう?」



そうかもしれない、けど…。