会場を出て、一緒にお昼を食べに行った。



ウインドウを眺め、何にしようか考える。



「ワカには、これが美味しそうですよ。」



って指さす先には、お子様ランチ。



「パパ…、本気だったら怒るよ?」



「冗談です、嫌われたくありませんので…。」



全く、もうっ!



カレーライスを頼んだのだけど、私には辛すぎた…。



「大人向きのカレーは、ワカにはまだ早すぎましたか?」



涙目の私を見て、坂下が笑いを堪えてる。



何か悔しくて、話題を変えた。



「パパ、人前であんなこと言って良かったの?」



私のこと、娘だなんて紹介して…ホントに良かったのかな?



「ワカは、嫌でしたか?」



坂下はスプーンで自分のピラフを掬うと、私の口元にそれを近づけながら聞いた。



「…嬉しい。」



そう言って、私は目の前のピラフを口にした。