数分後七瀬は落ち着きを取り戻したのか生徒会のファイルを開く。


「南さん、大丈夫かい?」


「はい、取り乱してすいません。もう大丈夫です」


いつもの七瀬に戻った。



それから大きな事件も起こることなく、最終競技まできた。


その間、生徒会は2人で回しててんやわんやではあったけど滞りなくすべてが進んだ。



『プログラム18番、選抜リレー』



俺の苦手とするバトンを運ぶ競技が来た。



「いってきまーす」


「頑張ってください」


七瀬の声援を背中に受けながら、ルンルンと足を運ぶ。


現在、うちのクラスは2年4組に負けている。


ここで一位になることができたら優勝確実なのだ。


負けるわけにはいかない。


3位の3年1組の下克上に震えている現状ではあるが、うちのメンバーはなかなか早い人ばかりらしく、期待は厚い。


走りきるしかない。


最後の競技ということもあって、七瀬は生徒会の仕事を一度置いて、クラステントまで来ていた。


アンカーが1番近くを走る場所だ。


高校最後の体育祭。


1位で終わりたい。


七瀬を喜ばせたい…!


レースは100メートル走と同じ、予選本戦式。


最悪2位に滑り込めれればいい。