ありがたくお茶をもらっておく。


いくらテントがあるとはいえ、この炎天下の中、体育委員と打ち合わせをするのだからお茶の1本や2本、準備しておかなければ倒れてしまう。


『体育委員の皆さんに連絡します。


生徒会の皆さんの準備が終わりましたので、一度クラス準備を抜け、第1グラウンドの準備テントに集合してください』


グラウンドに大きく放送委員の声が響く。



「もうちょっとだね。これ終わったらまた練習だけど」



七瀬は苦笑いをして、顔を手で仰ぐ。


そうしているうちに体育委員がグラウンドに集まって七瀬は立ち上がって説明を始める。


「この箱の中は全て競技別に分けてあります。


それで、えーっと、右から順番にプログラム順に並べてあるのですが、

障害物競走と、リレーの道具だけはここにまとめて入れてあるので把握しておいてください。


それから…」


つらつらとすごいスピードで話し続ける七瀬。


多分この3年間で学校全体に俺より七瀬の方がよく働くとイメージが強く着いてしまっているんだろうね。



「話は終わりです。質問はありませんか」


「あのー、不正があった場合はどうなりますか」


「えっと、不正した者は失格となり、競技のやり直しをしたいと思っています。


競技自体はゆとりを持って組んでありますので、やり直しは可能です。


他には?」