祭りに一緒に行った恋菜は私に気を配ってくれている。


どれだけ迷惑かけてるんだろ、私。


ほんと、最低だよね。


気合いを入れ直すために髪を高いところで結って、頬をパシパシと叩く。


今年は忙しいんだから、伊織のことばっかり考えてちゃだめ。


忙しいんだよ。



「七瀬ちゃーん、この箱どっち〜」


容器にダンボールを持って生徒会室に入ってきた恋菜の彼氏。


結局恋菜がおれる形で2人は付き合い始めた。


金髪だった髪は一時期恋菜のために黒く染め直していたけど、恋菜がやっぱり前の方がいいと言って、また金髪に染め直していた。


チャラチャラつけていた装飾品も今では元どおり。



「んーっと、それ体育祭の箱だよね。奥のバトンとか置いてある方にお願いしていいかな」


「はいはーい」


真野くんは軽快なステップで部屋の奥まで進む。



「ななちゃん、中身の確認と割り振りしなきゃ。


新しいダンボールって各クラス2つずつだよね」


「うん。大きい方が文化祭用で、セットしようか」


「わかったー」


恋菜が体育祭の箱を準備するのを見て、私は文化祭の箱を準備する。