「……ナンデスカ、ソウイウ、サクラサンハドノヨウナ…?」



伊織は片言になって恋菜に問う。



「恋菜、学年で7番目だった」


「俺は3位だったー」


「桃矢には聞いてないよ」



金色だった頭を黒くした真野くんが聞いてもいないのに答える。



しれっと、恋菜は真野くんを下の名前で呼び捨てにしている。


何か、あったのかな。



「俺、めちゃくちゃ頭悪いみたいじゃん」


「その通りだよ?今更気付いちゃったの?」


「酷いっ!みんな頭良すぎるんだよっ!」


「会長が悪すぎるんでしょ?」


「恋菜ちゃんのいう通りだと思う」



集中攻撃を食らう伊織は結局辛くなったのか、生徒会室の片隅の壁にキノコを植え始めた。



「やめて、伊織。生徒会室じめじめしちゃうでしょ」


「七瀬、俺もう学校来れない」


「今に始まったことじゃないんだから大丈夫だよ。


それに伊織は運動神経いいじゃん。体育祭頑張るんでしょ?


夏休みそれのためにがんばろ?ね?」



伊織をこんな風に慰め励まし続けること10分。


キノコを植えるのをやめて、のそのそと席に着いた。



「俺頑張る」



「ななちゃん、やっぱ会長、会長に向いてないと思うの」


「会長はこのくらいの方が丸め込めていいんだよ」



やっぱり今日も伊織は可愛いなぁ…。