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「本日の会議はここまでです。明日もよろしくお願いします」



私がそう言うと、クラス委員は全員生徒会室から出ていった。


「終わったー!」


「恋菜ちゃん、お疲れ様。ジュースいる?」


「…真野くんの飲みかけジュースなんかいらない」


「ちがうちがう、ちゃんと新しいから」


「会長にでもあげとけば?」



この2人は生徒会メンバー。



佐倉恋菜と真野桃矢。


恋菜は小さくて可愛くて、とてもモテる。


働き者で雑用を押し付けられてもしっかりこなす。


2年生ながら3年生の私たちにお構い無しにタメ口。


でも、腹が立たないのがこの子の不思議なとこ。


きっと可愛いからだろうね。



真野くんは3年生だけどめちゃくちゃチャラい。


こいつに何人の女の子が泣かされたかわからない。


でも、最近は恋菜のことを気に入ったのか、女遊びをやめて一途になったようだけど、


心配だなぁ…。



「七瀬ー、お茶くれない?」



うちの気の抜けた王子が私を呼ぶ。


なんで学校でソファに寝てんの。



あ、お茶…。



「あ、ごめん。今日沸かしてないや」


議会のあいだに沸かしておこうと思ったのに…。


遅刻ギリギリはいつもの事だから、いつも議会の時に沸かしておこうと思ってたのに。



「えっ…お茶…」



伊織はすごく残念そうな声を出している。