たまに強靭なメンタルを持った人が会長に告白しているのを見るけど、会長が泣きながら断る。



だから、告白した子も泣きながらその場を去っていくのは毎回おなじ。



「会長。会議まであと5分です。早く行きましょう」


「う、うん。わかってる」


そう言って私が会長の前をゆくと会長もあとを着いてくる。


まるで犬です。



バスケ部の人の横をとおりすぎる。



「あ、おはよう七瀬」


「おはよう」


「会長も?おはようございます」


「お、おはよう」



会長らしく言っているつもりなのだろうけどどもっている。


生徒会室のドアを開けると既にほかの生徒会のメンバーと各クラスのクラス委員は集まっていた。



「待たせてしまって申し訳ありません。会長がまた女嫌いをこじらせました」


「嫌いなんじゃないよ。苦手なんだ」


「そんなことはいいから早く座ってください。結局時間ぴったりにしか来れなかったじゃないですか」


「ごめんなさい」




毎朝ずっとこんな感じ。


私が会長の面倒を見て、会長は私の後ろを着いてくる。



幼なじみなのに敬語なのは、ほかの女子たちに妬まれるのが怖いから。


私だけ話すなんて、私が特別みたいでしょ?


だから幼なじみってことも黙ってる。


でも、敬語にすると業務だから仕方が無いという脳が働く。


そういう理由で私たち二人は1年の頃から生徒会に所属している。


もちろん歴代の生徒会のみんなには幼なじみだと言ってあったけど、黙ってもらっていた。