七瀬の前にご飯を並べていく。


七瀬は嬉しそうに微笑む。


そして、風邪をひいているのに、そういう時だけ成人男性並みの食欲になるのかアホほど食べる。


食べてるのも可愛いからいいんだけど。


「美味しい?」


「とっても美味しい」


そう言って七瀬は満面の笑みを浮かべて口をもぐもぐさせる。


「かわいい…」


「へ…?」



七瀬は少し顔を赤くさせる。



「あ、ごめん。口から本音が」



そういうと、七瀬の顔はさらに赤くなった。


本当に、かわいい。



「ごちそうさまでした」


「ん。お粗末様」


七瀬は颯爽とお風呂に向かっていった。


風邪ひいてるのにお風呂入って湯冷めしないだろうか。


食器片付けなきゃだよな。


七瀬が流しに置いた食器を洗って行く。


久しぶりに真面目に料理したなぁ。


こんな大変だっけ。


食器洗いを済ませて、一度家を出る。


着替えともふを取りに行くため。




…菜月のこと、七瀬に謝らなきゃ。


俺にとっては、菜月は少し邪魔をされた、っていう程度に思ってたけど、それでも七瀬には裏切られたと思わせてしまったんだと思う。



っと、そんなことを思っている間家に帰ってきてに1時間。


七瀬がお風呂に入ってから1時間半。


流石に長い。


というか七瀬はいつも15分ほどでお風呂を出て来る。