じゃあ今日は久しぶりに伊織と2人だ…。


すごい、嬉しいかも…。


ちらりと伊織の方を見ると伊織も薄く微笑んでくれていた。


「今日はパパと一緒だっ!」


「そうだぞ〜!一緒に寝ようなっ!」


「うんっ!うさちゃんも一緒に寝るっ」


はしゃぎまくる親子。


なんだか、可愛い。


「七瀬、いつもありがとな」


「いーえ、お兄ちゃんのためなら」



そう言って笑うとお兄ちゃんも笑ってくれた。


しばらく話した後、私は伊織と並んで帰った。



「明日休みだね」


「そうだね。どうする?いったん帰るか?」


「うーん。伊織の家でご飯作ってからにする」


「わかった」



そんなことを話していると、伊織のマンションについた。



ん?誰か、女の子がいる。


赤茶色の長い髪が遠くからでも目立ってる。



「あ、菜月」


「菜月…?」


「あぁうん、いとこ」


あぁ、例の。


菜月ちゃんは、伊織に気づくとパタパタとこちらに向かって走ってくる。


「どした?」


「あの…その…えっと…お母さんとケンカして…家出して…泊めて、くれませんか」



あ、もう。泣きそう。


身長が低くて、可愛くて。


うつむきがちに涙目で伊織を見つめる菜月ちゃんは確実に確信犯。