踊りながら頬を染める恋菜はもう真野くんに惹かれてる。


うん、よかった。恋菜が好きならそれでいいんだよ。



「どうしよう。恋菜ちゃん滅茶苦茶かわいい。恥ずかしいんだって。俺と踊るの恥ずかしいんだって…っ!」



嬉しそうに私たちが踊っているのを見る真野くんとそれを「ふーん」と聞き流す伊織。



「伊織たちも練習すれば?」


「男同士でなんか踊りたくね〜よ〜。それにどっちが女の子するんだよ〜」


「俺できるけど」


「…去年の練習、男子と踊ってたもんね〜」


「あぁ」



言ったものの、そんなむさ苦しいダンス見たくないなと思った私は一曲終わったときに恋菜から離れて、伊織に近づく。


パソコンで資料を作っていた伊織は私が近づいたのに気づいて立ち上がった。


「ななちゃーん!!私ななちゃんじゃないとやだー!!」


「真野くんで我慢しなさーい」


そういうと、次の曲が始まり伊織の手に自分の手を重ねる。


恋菜も諦めたのか、真野くんの手を取る。


真野くんは満足そうに恋菜をリードする。



「七瀬、やっぱ去年より痩せてる」


「ん?そうかなぁ?体重はほとんど変わってないんだけど」



こんなことを話しながら踊っているので、身が入ってないったらない。