「もう無理〜。恋菜ダンス出来ないんだってぇ〜」


「でも練習の時お手本で踊らないといけないの。ほら、恋菜立って」


毎日毎日、生徒会室でダンスパーティーの準備をしながらダンスのレッスン。


理事長の趣味で流されるワルツ。


それのためにダンスを練習しなければ、毎年1年生に教えなきゃいけないのだ。


ダンスパーティーについては実行委員とともに生徒会を中心に進める。


2、3年の練習もあるのだが、教える理由もないし、教えあいでフォローしてもらう。


1年生は先輩相手だと萎縮してしまうこともあるので、生徒会と、実行委員だけで教える。


そのかわり部活の休み時間などで多少は教えてあげてほしいと、各部活には流してあるのだけど、それだけじゃ出来ない面もある。



結局生徒会が、ひと肌脱ぐことになる。


「ななちゃん、どうして男の子の方も踊れるの?


なんで?ねぇ」


「んー…なんでだろ。去年女の子に教えたりもしたからかな。伊織が受け持つはずだった女の子を私が相手したから」


背の低い恋菜にくっついて、ダンスを教える。



「ていうか、真野くんに教えて貰えばいいじゃん」


「…だって恥ずかしいもん」