「狼って、なんのこと?」



七瀬は不思議そうな顔をして家の中に戻って行く。



「ん?多分俺のことだよ?」


「そうなの?伊織は狼なの?」


「男はみんな狼だよ」


「ふーん。よくわかんない」


やっぱり、七瀬の疑問は解けないままで。


「わかんなくていいの。寝よ?」


「わかったー、私ソファで寝るね。


伊織はちゃんと布団きて寝ること。


あと、夜中起きたら水分取りなさい」


「はーい」



今日も別々で寝た。


七瀬には悪いけど、ソファで寝てもらって。


明日はもう学校だよな…。


だるいなぁ。


そんなことを思いつつ、寝た。


次の日にはちゃんと熱もなくてピンピンしていた。


いつも通り2人で登校して、いつもと同じような1日をすごした。


少し違ったのは、俺のスマホに知らない人からメールが来ていて。


七瀬に言ってみると北斗くんだった。



『七瀬にキスマークなんかつけてんじゃねぇぞ。次会った時覚えとけよ』


そう書いてあった。


脅迫メールになんとなく怯えながらも1日をすごした。