それに気づいた七瀬は「沙耶さんに風邪がうつったらどうするの」と言って、沙耶さんを連れて出て行った。


1人になった俺はのんびり寝ることができた。


夜になったら、ほぼ回復していて、みんなでワイワイご飯を食べた。


「私、理沙っていうの。おにーちゃん。お名前は?」


「伊織」


「いーちゃん?」


理沙ちゃんは、なんか、可愛らしいあだ名をつけてくれた。


「ぶっ」


「七瀬今笑ったなお前」


そう言いながらほっぺたをつねる。



「痛いよ、ご、めん、ふふっ。可愛いなぁって」



そうやって笑う顔もめっちゃ可愛い。


なんて、北斗くんのいる前で言えるはずもなく。



「パパっ!いーちゃんがなーちゃんいじめた」


「いや、いじめてないよ」


「伊織お前いい加減にしろよ」


「いじめてないですから」


「理沙、ご飯食べたらこっちおいで、いーちゃんは疲れてるんだよ。こっちにもふちゃんいるから」


「にゃんこ!」


理沙ちゃんは沙耶さんの方に走って行き、北斗くんの膝に乗っていたもさおを抱き上げた。


「ふわふわぁ〜。ママ、もふちゃん連れて帰る!」


「ダメよ、このこはなーちゃんの猫なんだから」



いや、俺のです。


俺のもさおです。