「……私はいいけど、向こうがどう言うか」


「そっか、そうだね」



お姉ちゃんはそう言いながら、スマホを操作した。


机の上に置いていた私のスマホが鳴った。



「私の休みの日。日にちはそっちで決めてね」



お姉ちゃんはそう言うと、ドラマを止めて自分の部屋に行ってしまった。



相変わらずの自由さに、思わずため息が出た。







週末、ダブルデートらしきものを行うことが決定した。



「妹とその彼氏と遊ぶなんて、変な感じ」



提案者がなにを言う。


この話をしたとき、楓真は面倒そうに顔しかめたんだからね。



待ち合わせ場所である駅前に行くと、楓真と須藤君が会話することなく、スマホを操作しながら立っている。


女子の視線を集めているところが、なんか嫌だ。



「おお、奏汰もなかなかの美形。紗知、グッジョブ」



お姉ちゃんは満足そうにすると、二人のところに足早に行った。


本当、自由というかなんというか。



「ほら、紗知!早く!」



なぜ私が急かされなければならない。


私も楓真も、言ってしまえば巻き込まれただけなのに。



「つまらなそうだな」