「他人の気持ちと真剣に向き合おうとしない松浦さんに、なにがわかるんですか?」 人通りの多い歩道。 立ち止まる私たちを邪魔そうにチラチラと見ていく通行人なんて気にせずに続けた。 「なんでもかんでもゲームみたいにしか考えない松浦さんには、私の気持ちなんてわからない」 一呼吸で言い、再び足を進める。 すれ違う瞬間、松浦さんが驚きを顔に広げているのがわかったけれど、「お疲れ様でした」とだけ残してそのまま通り過ぎた。