オオカミ御曹司、渇愛至上主義につき



「目一杯、甘やかしてあげますよ」

松浦さんを見上げて、微笑む。

今まで足りなかったぶん、全部を埋めてやろうと、もう心に決めたから。
欲しがるだけじゃなくて、幸せを望むだけじゃなくて、私が幸せにしてあげたいと思ってしまったから。

このひとが隣にいるだけで、もう充分満足だって知ってしまったから。


面食らった顔をしている松浦さんに、ふふっと笑う。

次第に、驚きから楽しそうな笑みに変わった表情で、松浦さんが言った。


「どうしよう。今、もう、すげー幸せかもしれない」















2018.12.19
END