最後にプレゼントを渡して終了となった一次会。続いての二次会は遠山さんの希望でカラオケとなり、阿賀野さんの熱唱をバックに、遠山さんはひとりひとりとゆっくり話していたようだ。
私にも、「百花ちゃんらしくね。ムードメーカーとして頑張って!」なんて声をかけてくれた。

お開きになったタイミングで、遠山さんは美麗さんを拉致する。


「じゃあ私はこれから美麗ちゃんとふたりで飲むんでー。誰か百花ちゃん送ってあげてくださいねー」


そのまま、ふたりで歩き出していっちゃって、男性三人に私ひとりが残される。

いや、あの、ちょっと待ってくださいよ。
同僚とはいえこの状況はあまりに酷では?


「あ、じゃあ俺が」


とあさぎくんと瀬川さんが同時にいい、阿賀野さんがにやにやとしながら私の肩を抱いてきた。


「お、取り合いとはお前もなかなか罪な女だなー。ここは俺が送ってやろう。どちらかに頼んだら不公平ってもんだからな」


なんで不公平?
と思っているうちに、瀬川さんが阿賀野さんの手をつねった。


「いてぇ! なにすんだよ」

「そうやって隙あらば触ろうとするのはやめろ。お前が一番危ないんだよ」

「そうだよ。仲道さんが危険だ。阿賀野には節操というものがない」


二人からやり込められて、阿賀野さんは唇を尖らせた。


「ひどくないか、その言いよう」


こんなところで揉めださないでくださいよ。あああ、面倒くさいなぁ。