「そうなんですねー。良かった」


遠山さんが何にウケたのかはよくわからないままだったけど、その情報はありがたくいただく。


「でもさ、昔会った人に再会するってドラマだよね。運命かもよ」

「あはは」


実は私もそう思いました。がっつり運命感じましたとも。

それにしても、さっきのハーフだもんねってセリフ、ちょっと気になったな。
あさぎくんの両親のことはちゃんと覚えていないけど、少なくとも外国人ではなかった記憶がある。

あの頃は小さくて疑問にも思わなかったけど、よく考えたら、あさぎくんの金髪は誰遺伝なんだ?
お父さんはガッツリ和顔だった気がするし、お母さんも、すごくきれいだった覚えはあるけど別に金髪だったって覚えはないんだけどなぁ。

エレベーターが到着し、扉が開く。
中には、壮年の男性がひとりいた。遠山さんが、にっこり微笑んで会釈をする。


「本部長、おはようございます」

「おはよう。見かけない顔だけどそっちは?」

「私の代わりに入っていただく、派遣の仲道さんです。今日から出勤なのでまずは社内の案内を」

「美麗の部署だな。ちょっと大変だろうが頑張ってくれよ」

「あ、はい。ありがとうございます」


なんだか励まされた気がしたので頭を下げると、遠山さんが私に耳打ちした。