王子様と野獣



突然の再会に驚きすぎて緊張がどこかに飛んで行ってしまった。

改めて周りを見渡して、現状を確認する。
ここは大きなフロアの中でも、パーティションで区切られた比較的狭い空間だ。
五つの机をくっつけてできた島がひとつと、それを見渡せるように窓際にひとつ机がある。

そして、その机それぞれに腰掛けていた人たちが立ち上がる。
私はというと、あさぎくんに手招きされ、一つ離れた正面の机の前に立たされた。

向かい合うのは四人の人物。ひとりは先ほどから若干敵意のある視線を向けてくる田中さん。そして、あさぎくんとは対照的な真っ黒な髪の眼鏡男性がひとり、そして笑顔のかわいいウエーブヘアの女性と茶髪の軽そうな男の人。皆すごく若そうに見えるから不思議な気がした。

これ、一つの部署なんだよね。こんなに若い人だけで構成されるなんてことある?
それに、あさぎくんだって私とそんなに変わらなかったはず。それなのに主任なの?

私が頭に疑問符を浮かべているうちに、あさぎくんは揃った四人に向かって私の紹介を始めた。


「今日から一緒に働いてくれる仲道百花さんだ。早く慣れるように皆声をかけてあげてください」

「よろしくお願いします」


とりあえずは、猫かぶってあいさつしなきゃ。
すでに無意識のうちにひとり敵を作ってしまったようだし、自分の味方を増やさなきゃ行けない気がする。
職場の友好関係は大事だ。