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翌日の日曜日。
友人の香織とふたりでやってきたカフェで、私はとびきり大きなため息をひとつ吐いた。
私たちはもう終わりかもしれない。
ううん、むしろそうしたほうがいいのかも。
「どうしたの? 結婚前の女がそんな顔なんて」
目の前に座る香織が、パンケーキにナイフを入れながら私の顔を覗き込む。
「結婚が決まったころには、誰もが羨むほどの幸せオーラをまき散らしていたくせに」
そう言って、ちょっと皮肉っぽく笑った。
そういえば、そんなときもあった。
念願の優しい人、穏やかな人にプロポーズされて有頂天になっていたあのころ。
それまで付き合う人はみんな自分勝手でわがままで、私ひとりが振り回されるばかりだった。
いくら泣かされたか知れない。
やっと巡り会えたのが高柳さんだったのに。
彼以上の人はいない、そんな彼から愛されることをこのうえなく幸せに感じたのに。



